2019年6月18日火曜日

犬が飼いたくなった!『僕のワンダフル・ジャーニー』完成披露試写

飼い主に会いたい一念で転生を繰り返した犬を描いた『僕のワンダフル・ライフ』。
この作品の続編である『僕のワンダフル・ジャーニー』の完成披露試写が6月18日にTOHOシネマズ六本木ヒルズで行われた。

期待通りの作品だった!
犬がかわいい。飼ってみたくなる。

さて、今回の飼い主は、前作で飼い主だったイーサンの妻ハンナの孫CJ。
ハンナの息子が早世し、妊娠中だった嫁はイーサンたちと住んでいたが、子育てに口を挟まれるのが嫌だと家を飛び出す。
しかし、子育てよりも自分の寂しさを埋めることで精一杯。
ほったらかしにされていたCJをイーサンの飼っていた犬が転生して支えるようになる。

前作ではある行動(イーサンが潰れたボールを上に投げ、背中を丸めてかがむと、犬が背中を踏み台にして飛び上がり、ボールをキャッチ)をすることで、イーサンに転生したことを伝えたが、今作でもある行為でCJは転生を理解する。
それがCJの人生の大きな転機と結び付けられており、そうだったんだ!と気持ちを盛り上げる。

さて、その行為とは?
ぜひ、劇場でご覧ください。

『僕のワンダフル・ジャーニー』(原題:A DOG’S JOURNEY)

監督:ゲイル・マンキューソ
脚本:W・ブルース・キャメロン&キャスリン・ミション、マヤ・フォーブス&ウォレス・ウォロダースキー
出演:ジョシュ・ギャッド(声)、デニス・クエイド、キャスリン・プレスコット、ヘンリー・ラウ、マージ・ヘルゲンバーガー、ベティ・ギルピン
配給:東宝東和
© Universal Pictures and Amblin Entertainment. All Rights Reserved
公式サイト:https://boku-wonderful.jp/
9月13日(金)全国ロードショー


2019年6月14日金曜日

もともとコメディ出身?岡田准一主演『ザ・ファブル』スペシャルトークイベント取材


6月21日に公開を迎える『ザ・ファブル』のスペシャルトークイベントがスペースFS汐留で行われ、シネマジャーナルからは江口カン監督作品に詳しい白石と岡田准一ファンの私が取材に入った。

©2019「ザ・ファブル」製作委員会

スペースFS汐留は167席。映画館より座席数が少ない。このイベントに当選した人たちは本当にラッキー!
私がスペースFS汐留に着いたときにはすでに来場者が長蛇の列を作って待っていた。
みな、これから行われるイベントに期待が一杯なのだろう。列の横を通るとき、高揚感がびんびんに伝わってきた。
取材陣も大勢集まっていた。受付開始時間の5分後で27番。
マスコミ席のうち、真ん中のブロックはすでに満席。
両サイドしか空いていない!
しまった、もっと早く行くべきだったと後悔。

さて、本題のイベントだが、今回は岡田准一、木村文乃、山本美月の3人が登壇。
岡田は黒いスーツに丸首の黒いシャツ。全身黒尽くめだったが、女性陣は華やかに。
木村は濃い目のピンクでウエストは絞らず、すとんと胸元から足首まで落ちた感じのワンピース。胸元のあたりはプリーツがあった気がする。
ん、これはドレスと呼ぶんだろうか。
そういえば、先日の『居眠り磐音』のときも似たようなデザインの紺色の衣装だった。
こういうゆったりとしたデザインが好きなのかもしれない。
山本は…顔が小さい!!
透け感があるが、ぱりっとした素材の薄いピンクっぽい色のワンピース。
襟仕立てになっていて、かわいらしさの中にきりっと感を加味。
膝丈くらいだったので、脚の細さにも驚く。

まずひとことずつのあいさつ。
「すっきりする笑いのあるエンターテインメントアクションをぜひ体験してください」と岡田。
「みんなと一緒に楽しめるイベントのようです。最後まで楽しんでいってください」と木村。
「客席のお客さんが後ろの方までちゃんと顔が見えるイベントは久しぶりなのでうれしいです」と山本。
山本のコメントを受けて司会が「120~130人のプラチナチケットを手に入れた方々」と来場者を表現。
そうか、そこまですくなかったのかとびっくり。

©2019「ザ・ファブル」製作委員会

司会が試写の評判がいいと切り出し、岡田に手応えを尋ねると。「もっとできると思ってますけれどね」とアクションに対する自信をのぞかせた。
撮影現場のことを聞かれると、岡田が「お芝居部分とアクション部分が二部構成」といい、「アクションは後半にまとめて撮りましたが、まるで別の作品のよう」と振り返った。
コメディ作品に出るときも気持ちについて尋ねられると「もともとコメディ出身なので」と言い出し、周りが「出身?」と訝し気な反応。
クドカンの「木更津キャッツアイ」のことを指しているだろう。
「真面目にやればやるほど面白い役なので、その辺を意識して」といい、「監督もコメディ要素を強くしたいのでとおっしゃっていて、リアクションを強めにやってくれというお話でした」と続けた。
そう、この作品で、岡田演じるファブルはひたすたストイックで、一度も笑わせようとはしないのだけれど、笑っちゃう作品なのだ。

そのあと岡田は
「内容はシンプルで、膨らませていく」
「5分くらい回していて、良いところを使っている」
「その場で『何かやってください』が多かった」などと話した。

木村も「アドリブばっかりでした。監督がカットをかけてくださらないので、続けるしかない。山本さんにも藤森さんにも大変失礼なことばっかりしてしまったなぁ」と続けた。
失礼なことというのは、木村が藤森の鼻の穴にピスタチオを目いっぱい詰めたことだと岡田が暴露。
「私とお酒を飲むときは気を付けていただきたいです」と木村が笑って忠告する。

山本は木村に思いっきり顔をいじられるのだが、岡田が「5分くらいやられていた」と思い出していると、その時の気持ちを聞かれた山本は「監督がモニターの前で面白がっている姿が想像できる」

すっかり場が馴染んだところで、司会が「プロとしてスカッとクリアせよ。究極のミッション、2番勝負!」のコール。
登壇者に2つのミッションが課されることとなった。

まずは映画に関する三択クイズ。
映画でファブルが6秒以内に仕留めることにちなんで、6秒以内に答えることに。
岡田、木村、山本にちなんだ問題が1問ずつ出された。

1問目はインコが3羽出てきて、「ファブルが撮影のときに飼っていたのはどれか」
岡田にちなんだ問題だったが、3人ともクリア。
岡田によると、インコのナナちゃんはよく鳴くので、現場で鳴き待ちが結構あったのだという。イベントでもそのインコだけ、岡田の方を向いて、よく鳴いていた。

©2019「ザ・ファブル」製作委員会

2問目は藤森が演じる河合ユウキが木村演じるヨウコとの飲み比べで、「何杯目のテキーラで白目をむいたか」
選択肢は10杯、20杯、30杯。
岡田と木村が同じ答えを挙げた。
ちなみに正解は20杯。

3問目は山本演じるミサキが過去に出していた写真集のタイトルは?で3人の答えがやっと割れた。
この写真集、ちゃんと撮影する日があったそう。
で、岡田が選んだのは「もぎたてエンジェル」。
「いちばんやばそうじゃないですか。監督がやばい人なんですよ。監督が選んで、いいね~と笑いそう」とコメント。
木村が選んだのは「美少女絵巻」。
(山本美月の)そのまんまのタイトルだなと。
岡田の選択肢について「男性目線過ぎる」とコメント。
山本が選んだのは「漂流記」。
「(スクリーンの)漢字を見て思い出しました」と理由付け。
さすがにここは山本本人のみが正解。

これでそれぞれ持ち点が2点となった。
うまく進行したと運営側が思ったことだろう。

次のミッションは「スカッと解決 究極の悩み事に答えます~」
事前に参加者から募集した“究極のお悩みごと”に対して、誰がいちばんスカッとした解決策を出せるか競う。

1つめ。保育の勉強をしている女性から。
「子供たちの前でピアノを演奏するときに、緊張して間違えてしまう。緊張する場面をどんなふうに乗り越えればいいか」
「自信をもって子どもたちと遊ぶ気持ちで 完璧を目指さない もし、困ったらミとソの音で変な顔をする」と岡田。
ド、レ、ミのミで「ミー」と外すのをその場で実践。
ぽそっと「昔を思い出しますね」といっていたが、何のことだろう。
ファンのくせに知らなくて、焦る。
「真面目だから緊張しちゃうのよね」と質問者のことを慮った木村は「間違えたら、ニコニコっと笑って、『先生、間違えっちゃった~』というと、かえって子どもたちの憧れの先生になるのでは」と真面目にアドバイス。
このアドバイスについて、自分自身はどうかと振られた木村は「NGを出しちゃったときに『やっちゃった~』と暗くなるよりも、明るく『ごめんなさい、もう一回お願いします』と言った方が現場は明るい」と経験を振り返った。
いいかも、これ!
山本は根拠のない自信を持つことを勧めた。
「間違えても死ぬわけではないので『何とでもなれ~』とやっちゃう」といい、「本番だけは根拠のない自信を持って臨むようにしている」と告白。
これもなかなかいいかもと思う。
もう一度振られた岡田はこんなことを言っていた。
「僕らの表現で“飲み込まれる”というんですが、上手くできたいという方が強くなっちゃうと絶対失敗する」
音を感じたり、子どもの気持ちや『こうやったら喜んでくれるかな』ということを大事にした方がいい」
「上手く聴かせることは本質ではない。本当にやりたいことを見つければ緊張しない」
質問者は岡田の答えを選んだ。
岡田ファンなんだろうなぁ。

2つめ。社会人女性から。
「職場に新たに入ってきたポーカーフェイスの人と仲良くするにはどうしたらいいか」
山本は「無理やりぐいぐい話しかけるよりも、相手のペースに合わせて、こっちが笑顔で対応していれば、向こうもいつか心を開いてくれる」、「笑っておけばまちがいない」という。
木村は「コーヒー出しながら、かわいく『顔、怖い』と言われたら、『そっか~』となるのでは」と。
これに対して、山本は「萌える」と反応したが、岡田が「萌えるの? 怖くない?」と疑問を示したところ、木村の機嫌を損ねたフリをしたので、「もう一回やって、もう一回やって」と慌てていた。
そんな岡田の慌てぶりもファンにはうれしい。
岡田は真面目パターンの答えとして、興味を持っていることを伝えて、理解者になることを勧めた。
「先輩のこれ、すごいですね」
この人、ここがすごいんだなということをわかって、それを伝えるということである。
そうすれば、理解されているから教えたくもなるし、会話もする、と。
真面目でないパターンとしてはモノマネを勧めた。
相手の年齢が40代くらいと聞き、中森明菜の真似を推す。
「すごい小さな声でしゃべってください」と言ってまねた。
ここでも岡田のアドバイスがベストに選ばれた。
そのあとで岡田は内田有紀も挙げたが、モノマネの仕方はわからず、質問者がテレビを見て考えるということで決着。

3つめ。好きな人に告白したい女性から。
「お笑い好きの好きな人に面白く告白したい。いいセリフを教えてほしい」
お笑いを見ない木村は作品に出てくるジャッカル富岡の真似を勧めて、もし分からなければ、この作品を誘うと提案。
山本もお笑いを見ないといい、真剣な告白に面白さはいらないと断言。
最後に岡田も「真面目に告白した方がいいですよ」と言いつつ、質問者に「それ、いけそなの? 手応えある?」と反対に質問。
手応えがありそうと知ると、きちんと真面目に告白することを改めて勧めた。
その一方で、面白バージョンの答えも出し、「『好き』を変に言うしかないですよね」というと「私、あなたのこと、好ーきー!」と変なポーズを取る。
マスコミのカメラが一斉にシャッターを押した瞬間だ。
あくまでもかわいいくらいに。「どうも~」になってしまってはいけないとアドバイス。
結局、これも岡田が選ばれ、最終的にも岡田が勝利を収めた。
ちなみに集計中に、ほかの質問の話が出て、痩せたい悩みに対して岡田が「やせるにはカルニチン」「食べないで走る」と熱を込めて語ると、木村が「岡田さん、こういう話のときは饒舌」と現場を思い出したように語っていた。
するといきなり岡田が「おい、聞いているのか、俺の筋肉」と力こぶを作る。
なかやまきんに君の芸らしい。

勝った岡田は、原作者である南の直筆イラストが描かれた色紙を手渡された。
負けた木村、山本は罰ゲームとして、ファブルが愛してやまないお笑い芸人・ジャッカル富岡のフリを真似。

©2019「ザ・ファブル」製作委員会

最後に岡田が締めの言葉を。
日本の現代もののアクションをどういう風に作っていくか、みんなで模索しながらチャレンジした作品になっていると思います。笑いあり、スカッとできるアクション映画を体感してもらえたらうれしいです。もし、よかったら、たくさんの方に勧めて、また来てください。アクションとか早いんで、何回でも見て確認してください。

観客が大いに盛り上がる中イベントは終了。
和気あいあいとしたいいイベントだった。

『ザ・ファブル』

出演:岡田准一、木村文乃、山本美月、福士蒼汰、柳楽優弥、向井理、木村了、井之脇海、藤森慎吾(オリエンタルラジオ)、宮川大輔、佐藤二朗、光石研、安田顕、佐藤浩市
監督:江口カン
原作:南勝久「ザ・ファブル」(講談社「ヤングマガジン」連載)
脚本:渡辺雄介
撮影:田中一成
美術:小泉博康
照明:三重野聖一郎
音楽:グランドファンク
主題歌:レディー・ガガ「ボーン・ディス・ウェイ」(ユニバーサル ミュージック)
配給:松竹
©2019「ザ・ファブル」製作委員会
公式サイト:http://the-fable-movie.jp/
2019年6月21日(金)全国公開



2019年6月11日火曜日

ミリタリー・マニアの安東弘樹が語る『アンノウン・ソルジャー 英雄なき戦場』

飯田橋の神楽座で『アンノウン・ソルジャー 英雄なき戦場』公開直前イベントが開かれ、フリー・アナウンサーの安東弘樹が登壇すると聞き、取材に入った。


マスコミ受付開始時間の20分前に現着。
マスコミ関係者はまだ誰も来ていなかったが、来場者はすでに何人も待っていて、ロビーの椅子はほぼ埋まっていた。
一般試写にしては男性率が高い気がしたが、作品の内容が大きく影響しているのだろう。
マスコミの受付が始まったらいちばんに入場。
真ん中よりちょっと左寄りの席を確保。
司会者が下手にいると登壇者は司会者の方に顔を向けがち。
そうなるとセンターよりも左寄りにいた方が話しているときの正面顔を撮りやすいだろう。

いよいよトークイベント開始。
司会の八雲ふみねはなんとサンタクロース姿で登場。6月にこのコスチュームはなぜ?
安東氏が登壇したところで、その理由が明かされた。
サンタクロース村のあるフィンランドの映画にちなんでとのこと。
かわいい女性が着ると季節感は関係なくかわいく見える。


安東氏はミリタリー・マニアと紹介されたが、戦争映画をネットサーフィンしながら見ていたら、この作品の予告編に出会い、仕事のオファーを受ける前から作品について知っていたとのこと。
ゲストにぴったりな人選だったよう。




作品に登場する武器について、初心者にも分かりやすく解説した。
そのあたりはイベントレポート記事に詳しく書いているので、ここでは割愛する。

ただ、その記事を書くにあたり、普段聞かない、ジュウザ(=銃座)、サンキャクカ(=三脚架)、スイレイ式機関銃(=水冷式機関銃)といった言葉が頭の中ですぐに変換できず、ちょっと手間取った。



驚いたのは、安東氏が海外で実弾を撃った経験があるということ。
その経験から銃を人に向けてはいけないと強く感じ、戦争や武器について調べれば調べるほど反戦思想になっていったと語っていた。




トークは15分ほどで終了。
この作品が男性の視点ではどう見えるのかがよくわかった。
やはり女性とは違う。
しかし、安東氏の戦争を起こしてはいけないという気持ちはしっかり伝わってきたし、それは男女関係なく、人として大事な思いであると思った。


<公開直前イベント 開催概要>

日時:6月11日 (火)18:10~18:25
場所:神楽座 (千代田区富士見2-13-12 KADOKAWA 富士見ビル1F)
登壇ゲスト:安東弘樹 (フリー・アナウンサー)

『アンノウン・ソルジャー 英雄なき戦場』

継続戦争に参加した一機関銃中隊に配属された熟練兵ロッカ(エーロ・アホ)は家族と農業を営んでいたが、冬戦争でその土地がソ連に奪われたため、領土を取り戻し元の畑を耕したいと願っている。カリルオト(ヨハンネス・ホロパイネン)は婚約者をヘルシンキに残して最前線で戦い、途中でヘルシンキに戻って式を挙げ、すぐに戦場へとんぼ返りする。ヒエタネン(アク・ヒルヴィニエミ)は戦場でも純粋な心を失わず、コスケラ(ジュシ・ヴァタネン)は最後まで中隊を指揮する。この4名の兵士を軸に進んでいく。

監督・脚本:アク・ロウヒミエス
原題:Unknown Soldier (英語) Tuntematon Sotilas (フィンランド語)
撮影:ミカ・オラスマー
出演:エーロ・アホ、ヨハンネス・ホロパイネン、ジュシ・ヴァタネン、アク・ヒルヴィニエミ、ハンネス・スオミほか
2017 年/フィンランド/フィンランド語/カラー/132 分/PG-12
配給:彩プロ
© ELOKUVAOSAKEYHTIÖSUOMI 2017
公式サイト:http://unknown-soldier.ayapro.ne.jp/
2019年6月22日(土)より新宿武蔵野館にて全国順次ロードショー

2019年6月4日火曜日

若い監督の思いが伝わってきた『おいしい家族』

板尾創路の花嫁衣装に、思わず目が釘付けになった『おいしい家族』。

第40回すばる文学賞受賞・ndjc2015選出など、文学・映像両才能を持ち合わせたふくだももこの長編初監督作品である。
試写の案内をいただき、さっそく見に行った。
試写前に配給の日活プロデューサーとふくだももこ監督のひとこと挨拶があった。
日活プロデューサーはふくだももこ監督の本を読み、短編作品を見て、その才能に惚れ、長編作品のプロデュースを切望したようだ。
ふくだももこ監督はまだ若いが、「伊丹十三監督のような社会性のあるエンターテイメント作品を作りたい。伊丹十三監督はお亡くなりになっているけれど、私の心の中にまだしっかり生きている」と言い切り、志を高く持つ。
そして、「自分を大切にして、隣にいる人が他人でも知り合いでも、ただ人にやさしくすることが何より大切なことで、それだけが世界を変える方法だと思っています」と語った。
監督は自分の過去にも触れた。
もしかすると辛い思いを経験したのかもしれない。
だからこその強さと優しさを感じさせる。

さて、作品は。
”自分はダメだから、大切な人に受け入れてもらえない”と思い込み、背を向けてしまう。
誰にでもありうること。
しかし、自分が大切に思っている人なら、きっと丸ごとの自分を受け入れてくれるはず。
勝手に諦めないで、向き合ってみようというメッセージが伝わってきた。



試写後、おはぎの振る舞いがあった。
そう、この作品を見るとおはぎが食べたくなるのだ。
ただ、できれば1人で食べるのではなく、家族と食べたい。
ありがたく頂戴して家に持ち帰った。

『おいしい家族』


銀座で働く橙花は、夫と別居中。
仕事もうまくいかず都会での生活に疲れ気味。
ちょうど母の三回忌を迎え、船にゆられて故郷の離島へ帰ってきた。
すると、実家では父が母の服を着ておいしいごはんを作って待っていた。
唖然とする橙花に追い打ちをかけるように、見知らぬ居候が登場。
それはお調子者の中年男・和生と生意気な女子高生・ダリア。
「父さん、みんなで家族になろうと思う」
突然の父の報告に動揺する橙花とは裏腹に、一切気にも留めない様子の弟・翠が加わり、みんなで食卓を囲む羽目に…。
みんなちがってそれでいい。
のびのびと過ごす島の人々と、橙花の暮らしがはじまった。

出演:松本穂香、 板尾創路 、浜野謙太
監督・脚本:ふくだももこ
音楽:本多俊之
撮影:高橋草太
照明:山本浩資
録音:原川慎平
美術:大原清孝 
編集:宮島竜治
音楽プロデューサー:岡田こずえ
衣裳:江森明日佳
ヘアメイク:佐藤美和

 ©2019「おいしい家族」製作委員会
公式サイト:https://oishii-movie.jp/
2019年9月20日(金) 全国ロードショー