6月21日に公開を迎える『ザ・ファブル』のスペシャルトークイベントがスペースFS汐留で行われ、シネマジャーナルからは江口カン監督作品に詳しい白石と岡田准一ファンの私が取材に入った。
©2019「ザ・ファブル」製作委員会
スペースFS汐留は167席。映画館より座席数が少ない。このイベントに当選した人たちは本当にラッキー!
私がスペースFS汐留に着いたときにはすでに来場者が長蛇の列を作って待っていた。
みな、これから行われるイベントに期待が一杯なのだろう。列の横を通るとき、高揚感がびんびんに伝わってきた。
取材陣も大勢集まっていた。受付開始時間の5分後で27番。
マスコミ席のうち、真ん中のブロックはすでに満席。
両サイドしか空いていない!
しまった、もっと早く行くべきだったと後悔。
さて、本題のイベントだが、今回は岡田准一、木村文乃、山本美月の3人が登壇。
岡田は黒いスーツに丸首の黒いシャツ。全身黒尽くめだったが、女性陣は華やかに。
木村は濃い目のピンクでウエストは絞らず、すとんと胸元から足首まで落ちた感じのワンピース。胸元のあたりはプリーツがあった気がする。
ん、これはドレスと呼ぶんだろうか。
そういえば、先日の『居眠り磐音』のときも似たようなデザインの紺色の衣装だった。
こういうゆったりとしたデザインが好きなのかもしれない。
山本は…顔が小さい!!
透け感があるが、ぱりっとした素材の薄いピンクっぽい色のワンピース。
襟仕立てになっていて、かわいらしさの中にきりっと感を加味。
膝丈くらいだったので、脚の細さにも驚く。
まずひとことずつのあいさつ。
「すっきりする笑いのあるエンターテインメントアクションをぜひ体験してください」と岡田。
「みんなと一緒に楽しめるイベントのようです。最後まで楽しんでいってください」と木村。
「客席のお客さんが後ろの方までちゃんと顔が見えるイベントは久しぶりなのでうれしいです」と山本。
山本のコメントを受けて司会が「120~130人のプラチナチケットを手に入れた方々」と来場者を表現。
そうか、そこまですくなかったのかとびっくり。
©2019「ザ・ファブル」製作委員会
司会が試写の評判がいいと切り出し、岡田に手応えを尋ねると。「もっとできると思ってますけれどね」とアクションに対する自信をのぞかせた。
撮影現場のことを聞かれると、岡田が「お芝居部分とアクション部分が二部構成」といい、「アクションは後半にまとめて撮りましたが、まるで別の作品のよう」と振り返った。
コメディ作品に出るときも気持ちについて尋ねられると「もともとコメディ出身なので」と言い出し、周りが「出身?」と訝し気な反応。
クドカンの「木更津キャッツアイ」のことを指しているだろう。
「真面目にやればやるほど面白い役なので、その辺を意識して」といい、「監督もコメディ要素を強くしたいのでとおっしゃっていて、リアクションを強めにやってくれというお話でした」と続けた。
そう、この作品で、岡田演じるファブルはひたすたストイックで、一度も笑わせようとはしないのだけれど、笑っちゃう作品なのだ。
そのあと岡田は
「内容はシンプルで、膨らませていく」
「5分くらい回していて、良いところを使っている」
「その場で『何かやってください』が多かった」などと話した。
木村も「アドリブばっかりでした。監督がカットをかけてくださらないので、続けるしかない。山本さんにも藤森さんにも大変失礼なことばっかりしてしまったなぁ」と続けた。
失礼なことというのは、木村が藤森の鼻の穴にピスタチオを目いっぱい詰めたことだと岡田が暴露。
「私とお酒を飲むときは気を付けていただきたいです」と木村が笑って忠告する。
山本は木村に思いっきり顔をいじられるのだが、岡田が「5分くらいやられていた」と思い出していると、その時の気持ちを聞かれた山本は「監督がモニターの前で面白がっている姿が想像できる」
すっかり場が馴染んだところで、司会が「プロとしてスカッとクリアせよ。究極のミッション、2番勝負!」のコール。
登壇者に2つのミッションが課されることとなった。
まずは映画に関する三択クイズ。
映画でファブルが6秒以内に仕留めることにちなんで、6秒以内に答えることに。
岡田、木村、山本にちなんだ問題が1問ずつ出された。
1問目はインコが3羽出てきて、「ファブルが撮影のときに飼っていたのはどれか」
岡田にちなんだ問題だったが、3人ともクリア。
岡田によると、インコのナナちゃんはよく鳴くので、現場で鳴き待ちが結構あったのだという。イベントでもそのインコだけ、岡田の方を向いて、よく鳴いていた。
©2019「ザ・ファブル」製作委員会
2問目は藤森が演じる河合ユウキが木村演じるヨウコとの飲み比べで、「何杯目のテキーラで白目をむいたか」
選択肢は10杯、20杯、30杯。
岡田と木村が同じ答えを挙げた。
ちなみに正解は20杯。
3問目は山本演じるミサキが過去に出していた写真集のタイトルは?で3人の答えがやっと割れた。
この写真集、ちゃんと撮影する日があったそう。
で、岡田が選んだのは「もぎたてエンジェル」。
「いちばんやばそうじゃないですか。監督がやばい人なんですよ。監督が選んで、いいね~と笑いそう」とコメント。
木村が選んだのは「美少女絵巻」。
(山本美月の)そのまんまのタイトルだなと。
岡田の選択肢について「男性目線過ぎる」とコメント。
山本が選んだのは「漂流記」。
「(スクリーンの)漢字を見て思い出しました」と理由付け。
さすがにここは山本本人のみが正解。
これでそれぞれ持ち点が2点となった。
うまく進行したと運営側が思ったことだろう。
次のミッションは「スカッと解決 究極の悩み事に答えます~」
事前に参加者から募集した“究極のお悩みごと”に対して、誰がいちばんスカッとした解決策を出せるか競う。
1つめ。保育の勉強をしている女性から。
「子供たちの前でピアノを演奏するときに、緊張して間違えてしまう。緊張する場面をどんなふうに乗り越えればいいか」
「自信をもって子どもたちと遊ぶ気持ちで 完璧を目指さない もし、困ったらミとソの音で変な顔をする」と岡田。
ド、レ、ミのミで「ミー」と外すのをその場で実践。
ぽそっと「昔を思い出しますね」といっていたが、何のことだろう。
ファンのくせに知らなくて、焦る。
「真面目だから緊張しちゃうのよね」と質問者のことを慮った木村は「間違えたら、ニコニコっと笑って、『先生、間違えっちゃった~』というと、かえって子どもたちの憧れの先生になるのでは」と真面目にアドバイス。
このアドバイスについて、自分自身はどうかと振られた木村は「NGを出しちゃったときに『やっちゃった~』と暗くなるよりも、明るく『ごめんなさい、もう一回お願いします』と言った方が現場は明るい」と経験を振り返った。
いいかも、これ!
山本は根拠のない自信を持つことを勧めた。
「間違えても死ぬわけではないので『何とでもなれ~』とやっちゃう」といい、「本番だけは根拠のない自信を持って臨むようにしている」と告白。
これもなかなかいいかもと思う。
もう一度振られた岡田はこんなことを言っていた。
「僕らの表現で“飲み込まれる”というんですが、上手くできたいという方が強くなっちゃうと絶対失敗する」
音を感じたり、子どもの気持ちや『こうやったら喜んでくれるかな』ということを大事にした方がいい」
「上手く聴かせることは本質ではない。本当にやりたいことを見つければ緊張しない」
質問者は岡田の答えを選んだ。
岡田ファンなんだろうなぁ。
2つめ。社会人女性から。
「職場に新たに入ってきたポーカーフェイスの人と仲良くするにはどうしたらいいか」
山本は「無理やりぐいぐい話しかけるよりも、相手のペースに合わせて、こっちが笑顔で対応していれば、向こうもいつか心を開いてくれる」、「笑っておけばまちがいない」という。
木村は「コーヒー出しながら、かわいく『顔、怖い』と言われたら、『そっか~』となるのでは」と。
これに対して、山本は「萌える」と反応したが、岡田が「萌えるの? 怖くない?」と疑問を示したところ、木村の機嫌を損ねたフリをしたので、「もう一回やって、もう一回やって」と慌てていた。
そんな岡田の慌てぶりもファンにはうれしい。
岡田は真面目パターンの答えとして、興味を持っていることを伝えて、理解者になることを勧めた。
「先輩のこれ、すごいですね」
この人、ここがすごいんだなということをわかって、それを伝えるということである。
そうすれば、理解されているから教えたくもなるし、会話もする、と。
真面目でないパターンとしてはモノマネを勧めた。
相手の年齢が40代くらいと聞き、中森明菜の真似を推す。
「すごい小さな声でしゃべってください」と言ってまねた。
ここでも岡田のアドバイスがベストに選ばれた。
そのあとで岡田は内田有紀も挙げたが、モノマネの仕方はわからず、質問者がテレビを見て考えるということで決着。
3つめ。好きな人に告白したい女性から。
「お笑い好きの好きな人に面白く告白したい。いいセリフを教えてほしい」
お笑いを見ない木村は作品に出てくるジャッカル富岡の真似を勧めて、もし分からなければ、この作品を誘うと提案。
山本もお笑いを見ないといい、真剣な告白に面白さはいらないと断言。
最後に岡田も「真面目に告白した方がいいですよ」と言いつつ、質問者に「それ、いけそなの? 手応えある?」と反対に質問。
手応えがありそうと知ると、きちんと真面目に告白することを改めて勧めた。
その一方で、面白バージョンの答えも出し、「『好き』を変に言うしかないですよね」というと「私、あなたのこと、好ーきー!」と変なポーズを取る。
マスコミのカメラが一斉にシャッターを押した瞬間だ。
あくまでもかわいいくらいに。「どうも~」になってしまってはいけないとアドバイス。
結局、これも岡田が選ばれ、最終的にも岡田が勝利を収めた。
ちなみに集計中に、ほかの質問の話が出て、痩せたい悩みに対して岡田が「やせるにはカルニチン」「食べないで走る」と熱を込めて語ると、木村が「岡田さん、こういう話のときは饒舌」と現場を思い出したように語っていた。
するといきなり岡田が「おい、聞いているのか、俺の筋肉」と力こぶを作る。
なかやまきんに君の芸らしい。
勝った岡田は、原作者である南の直筆イラストが描かれた色紙を手渡された。
負けた木村、山本は罰ゲームとして、ファブルが愛してやまないお笑い芸人・ジャッカル富岡のフリを真似。
©2019「ザ・ファブル」製作委員会
最後に岡田が締めの言葉を。
日本の現代もののアクションをどういう風に作っていくか、みんなで模索しながらチャレンジした作品になっていると思います。笑いあり、スカッとできるアクション映画を体感してもらえたらうれしいです。もし、よかったら、たくさんの方に勧めて、また来てください。アクションとか早いんで、何回でも見て確認してください。
観客が大いに盛り上がる中イベントは終了。
和気あいあいとしたいいイベントだった。
『ザ・ファブル』
出演:岡田准一、木村文乃、山本美月、福士蒼汰、柳楽優弥、向井理、木村了、井之脇海、藤森慎吾(オリエンタルラジオ)、宮川大輔、佐藤二朗、光石研、安田顕、佐藤浩市
監督:江口カン
原作:南勝久「ザ・ファブル」(講談社「ヤングマガジン」連載)
脚本:渡辺雄介
撮影:田中一成
美術:小泉博康
照明:三重野聖一郎
音楽:グランドファンク
主題歌:レディー・ガガ「ボーン・ディス・ウェイ」(ユニバーサル ミュージック)
配給:松竹
©2019「ザ・ファブル」製作委員会
2019年6月21日(金)全国公開
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